響奏
”キョウソウ”という言葉は、漢字によって”競い合う”と”共につくる”という真逆の意味を持っています。
面白いですよね。
何をするにも「負けないぞ」という気持ちは大きな力を生みます。
志多らの舞台に加藤木朗さん、杉浦充さんという素晴らしくも強大なゲストをお招きし、一つの作品としての調和を考えた時に、この「負けないぞ」とは常に根底にありました。
”伝統と創造”というテーマで今回の名古屋公演『響奏』を演出するにあたって、いつもの価値観とかイメージがあまり通用しなかったんですよね。
特に加藤木さんの舞という要素を、志多らの音楽にどうハメていくのかが大きな課題・・・というか壁でした。
衣装も素晴らしく、ただそこに立つだけでオーラが放たれる加藤木さん。
今、主に演奏している楽曲は創作の要素が強いので、そこに芸能的な要素を「つくる」のではなく「加える」となると、僕の引き出しでは漁っても漁っても中々良い形が見えてきません。
そんな中で加藤木さんは僕の”やりたい”を理解し、何度も映像を見直し、今までの志多らにはなかった観点からの意見をたくさん頂きました。
最初は散らかるだけ散らかって脳内パニックを起こしてましたけど、整理していくと、だんだん映像が見えてきて。
さらに杉浦さんのお箏が音楽的に絡んでくださり、そこからはもう楽しかったですね。
「幕が上がるその瞬間まで、少しでも良くなる何かを考えろ。」精神で、ゲストの方とも相談しながらギリギリまで変更が続きました。
今回のキャストは特に若いメンバーが多かったので、本当によく対応し、よく形にしてくれたと思います。
僕が携わっていることは、とにかく1人じゃできないことばかり。
『響奏』を終え、それまでの過程が”演出家としての自分”にとってものすごく大きな財産になったと感じています。
ここまでは個人的なことをだらだらと語りましたが、
新型コロナウィルスの影響で実に3年ぶりとなった今回の名古屋公演。
きっと来づらい状況であるだろうにも関わらずご来場下さったお客様には、感謝しかありません。
2022年度は僕にとって初のソロライブ、新たなツアー展開など盛り沢山な一年になる!はず!!
コロナであってもなくても、僕たちがやることは変わりません。
太鼓を打つ!!!
それならやはり前向きに。
太鼓を打つ!!!
| 固定リンク